2019年1月11日金曜日

大人の修学旅行2018 in出雲松江(その5)

定刻の1209分、特急やくも5号は出雲市駅に到着しました。1011日の大きなスーツケースを携えた私は一番最後に車両を降りたので、ホームには別の車両に乗っていた筈の他のクラスメイトの姿はありません。集合時刻は1230分なので、まだまだ時間があると思い、出雲市駅の観察です。


私達が乗ってきた特急やくも5号が停車したホームの隣のホームには東京駅発の寝台特急電車「サンライズ出雲」が停車していました。この「サンライズ出雲」は東京駅2200分発。東京駅から岡山駅の間は高松行きの「サンライズ瀬戸」と併結運転され、岡山駅で切り離されて「サンライズ出雲」として958分に終点のこの出雲市駅着。東京駅を出てから約半日、11時間58分かけての到着です。この「サンライズ出雲」と「サンライズ瀬戸」は、現在、東海道本線を全線にわたって運行される唯一の定期旅客列車で、2016321(到着)をもって臨時寝台特急「カシオペア」が運行を終了してからはJR線を走行する唯一の定期運行を行う寝台特急列車で、かつ、夜行列車となっています。



その「サンライズ出雲」で使用されているJR西日本285系電車を撮影していると、特急やくも5号が停車するホームの反対側から1211分発の山陰本線の下り浜田駅行き普通列車が発車して行きました。浜田市は島根県の西の端の都市。出雲市駅から西(下り方向)の山陰本線は非電化なので(正確には隣の西出雲駅まで)、優等列車では電車特急のやくも号は使用できず、キハ187系特急型ディーゼルカーを使用する「特急スーパーおき(鳥取駅・米子駅~新山口駅間)」か「特急スーパーまつかぜ(鳥取駅・米子駅〜益田駅間)」しかないので、いきなり本数が減ってしまいます。なので、この出雲市駅までやって来た特急やくも5号に接続して山陰本線をさらに西に向かうのは、このJR西日本のキハ120形ディーゼルカーを使用した普通列車だったようです。



JR出雲市駅の駅舎です。駅舎は近くにある出雲大社をイメージしています。そのJR出雲市駅の隣には一畑電車北松江線(電鉄出雲市駅〜松江しんじ湖温泉駅間)の電鉄出雲市駅があります。一畑電車はこの北松江線と大社線(川跡駅〜出雲大社前駅間)からなる島根県東部を運行する私鉄で、明治45(1912)762mm軌間の軽便鉄道として開業した一畑軽便鉄道に端を発する古い鉄道会社です。社名は、元々が出雲市にある一畑寺(一畑薬師)への参詣者輸送を目的として計画し建設された鉄道会社であることに由来します。現在は一畑口駅〜一畑駅間は廃止されています。


私達『大人の修学旅行』の今回の集合場所はこのJR山陰本線の出雲市駅の駅前でした。今回の参加者は男子(男性ではなく、敢えて男子です)13名、女子5名の計18名。私達39組の卒業生は39名ですから、ほぼ半数が参加したことになります。今回は常連さん2(男子1名、女子1)が残念ながら参加できませんでしたが、今回新たに2名の男子が参加してくれました。卒業以来44年ぶりに逢うって人もいて、集合そうそう出雲市駅前は大騒ぎです()


出雲市駅に集まったのは11名。地元香川県在住組で今回の幹事であるウスキ、シンショウ、ノリコさん、キョウコさん、関西在住組のバンタロー、ヨシキ。同じく関西在住組で前日に先乗りしていたモトム。関東在住組では早朝に着く深夜高速バスで先乗りしていたユウテン。早朝一番の便で空路出雲入りしたショウチャンとイッカク、そして私エッチャンの11名です。幹事のウスキがリュックサックの中から『大人の修学旅行』のツアー旗を取り出し、掲げます。これが『大人の修学旅行2018in出雲松江』の正式スタートの合図です。ワァ〜イ!!

そこにほどなく出雲縁結び空港から空路出雲入りした関西在住組のマリコさんと、遠く青森から参加のココさん、関東在住組で初参加のレンシンを乗せた観光バスが到着しました。停まるやいなや観光バスから真っ先に駆け降りてきたのは、私達『大人の修学旅行』の“裏”の大幹事のオネエ。関西在住組のオネエは先乗りして観光バスに乗り込み、出雲縁結び空港に3人を迎えに行ってくれたようです。この気配り。ホント彼女なくして私達の『大人の修学旅行』は成り立ちません。頭が下がります。

これで15名。残りのテルジ、ケンポ、テッチャンの3名は仕事の関係で宿泊する松江のホテルでの合流になります (人名は全て高校時代の愛称です)

それにしても、私達の『大人の修学旅行』もついに大型の観光バスをチャーターするまでになっちゃいました。前回、私が幹事を務めた『大人の修学旅行2018in鹿児島』では2日間とも定期観光バスを初めて用いたのですが、大型観光バスをチャーターしたのは今回が初めてです (ワゴンタクシーの分乗はありましたが…)。フロントガラスのところに掲げられた「丸亀高校 大人の修学旅行ご一行様」の表示がメチャメチャ眩しいです。



前回の『大人の修学旅行2018in鹿児島』に参加してくれた方々とは約9ヶ月ぶり。数年ぶりにお会いする人もいたり、初参加のレンシンなどは卒業以来42年ぶりに再会する人もいたりということで、観光バスの車内では乗り込むなり大騒ぎ。還暦をとうに過ぎたオッサン、オバサン達のこの大騒ぎ、こりゃあ観光バスのチャーターは大正解でした。公共交通機関を使っての移動ではこうはできません。

観光バスで最初に向かった先は島根ワイナリー。ワイナリーということで、地元特産の島根ワインの試飲ももちろんできるのですが、ここで「出雲割子蕎麦御膳」で昼食をいただきました。まずは腹ごしらえです。再会を祝して島根ワインで乾杯したのですが、瞬く間にボトルが空に…。みんな昼間っからピッチが速い!! 


出雲割子蕎麦ですが、実は島根県の出雲地方で広く食べられる郷土料理である「出雲蕎麦」は日本三大蕎麦の1 (ほかの2つは岩手県のわんこそばと長野県の戸隠そば)に数えられています。この島根県の出雲地方が蕎麦処となった理由としては、奥出雲地方(出雲国南部=現在の雲南市・奥出雲町など)において、寒さに強く収穫までが短い上、痩せ地でも栽培できる蕎麦の栽培が昔から盛んだったことに加えて、松江藩初代藩主の松平直政が信濃国松本藩から国替えとなった際、信濃から蕎麦職人を連れてきたことで蕎麦食が定着したためと言われています。さらには江戸時代後期になってこの地域の産業・文化を振興した名藩主として「不昧公(ふまいこう)」と呼ばれ地元の人々から今も親しまれている第7代松江藩主の松平治郷が、当時「高貴な人は蕎麦を食べない」とされていたにもかかわらず、お忍びで夜に屋台の蕎麦(いわゆる夜鷹そば)を食べに行くほどの蕎麦好きで、こだわりの蕎麦の食べ方を語るほどで、茶人としても茶懐石に蕎麦を取り入れその地位向上に一役買ったからだと言われています。実は、私は前日に米子鬼太郎空港に着いた時にも、空港のターミナルビルでこの出雲割子蕎麦をいただきました。美味しいです。

ちなみに、ぶどう(葡萄)の産地といえば山梨県や長野県、山形県が有名ですが、岡山県や広島県、そしてこの島根県といった中国地方もぶどうの栽培が盛んなところで、都道府県別の順位において岡山県が47都道府県中第4位、広島県が第10位、島根県は13位〜15位となっています。なので、島根ワインという地ワインがあってもおかしくはありません。


……(その6)に続きます。
  


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