2018年9月17日月曜日

江戸城外濠内濠ウォーク【第5回:虎ノ門→浜離宮】(その1)


811()、『江戸城外濠内濠全周ウォーク』の第5回に参加してきました。今回は前回のゴールだった虎ノ門の金刀比羅神社を出発して、浜離宮(江戸城別邸 浜御殿跡)まで歩きます。今回は距離は短いものの、浜離宮という名所を訪問するので楽しみです。今年の夏は記録的な猛暑。この日もよく晴れて、強い夏の日差しが容赦なく照りつけてきます。とにかく暑い!! なので、熱中症が怖くて、炎天下、長い距離を歩くのは大変に危険です。このくらいの距離がちょうどいいとも言えます。


虎ノ門交差点を霞ヶ関方向に渡ります。


登録有形文化財に指定されている昭和8(1933)に建設された文部科学省(旧文部省)の旧庁舎です。霞が関に現存する庁舎としては法務省赤レンガ棟(法務省旧本館)に次いで2番目に古い建物で。 中央合同庁舎7号館保存棟とも呼ばれています。鉄骨鉄筋コンクリート造りの6階建て。スクラッチタイル貼りの豪壮な建物です。正方形に近い大きな窓による立面構成と、正面玄関上部の垂直性を強調したデザインに特徴がある建物です。

平成20(2008)、虎ノ門一帯の再開発で誕生したうちの1棟である中央合同庁舎7号館東館(霞が関コモンゲート東館)に文部科学省の主要機関が移転した後、旧庁舎部分は文化庁やその関連団体などが入り、今も使用されています。

その文部科学省(旧文部省)の旧庁舎のちょうど前のあたりで江戸城の外濠はほぼ直角に南東方向に折れ曲り、その折れ曲がる現在の霞ヶ関三丁目交差点のあたりに「虎の御門(見附)」がありました。


「虎の御門」でほぼ直角に曲がったあとの外濠の跡がこの道路です。私達が歩いているところが外濠の左岸(内側)の土手にあたります。


今は道路を渡っていますが、かつてここは外濠だったところなので、外濠を渡っていることになります。


江戸城外濠跡に位置する日比谷セントラルビルの公開緑地には、建設工事中に発見された江戸城外濠の石垣を復元して保存してあります。


さらにかつての外濠沿いを歩きます。このあたりの地名は内幸町。この地名は幸橋の内側にあったので付けられた地名なのだそうです。私が入社した日本電信電話公社の本社は東京都千代田区内幸町一丁目16号にある日比谷電電ビルにありました。そこで4年間勤務しました。現在、日比谷電電ビルはNTTコミュニケーションズの本社が入っているNTT日比谷ビルになっています。


かつて西新橋一丁目交差点に近いこのあたりに江戸城外濠に架かる新シ橋という橋が架かっていました。


このあたりに江戸城外濠に架かる幸橋がありました。現在は外濠は埋め立てられ、幸橋も撤去されています。そういう中、唯一「幸橋」の名前が残っているのが、このJR東日本の高架橋「幸橋架道橋」です。山手線、京浜東北線、東海道本線、東海道新幹線の高架橋が架かるこのあたりは、かつて幸橋御門の枡形があった場所です。

かつて江戸城外堀はこの幸橋の先で現在のJR山手線等に沿うように北方(山下橋、有楽町方向)に分岐していました。今回はこのまま真っ直ぐ幸橋架道橋を抜けて、東方向に江戸湊(浜離宮)へと続く外濠(の跡)に沿って歩きますが、次回【第6回】は、この地点から山下橋方向(有楽町方向)に伸びる外濠の跡を歩きます。


先ほど、幸橋が架かっていたところで江戸城外濠は山下橋方向(有楽町方向)と江戸湊(浜離宮)方向に分かれていたと書きましたが、江戸湊のほうに続く外濠(汐留川)に架かっていた橋が土橋でした。土橋という名称の通り、橋というよりは堰(ダムのようなところ)で、この土橋の堰で江戸湾からの海水が江戸城外濠に逆流してくるのを防いでいました。


土橋の交差点から先は首都高速道路の高架の下を通ります。首都高速道路の高架が通っているということは、かつてここが江戸城の外濠だったことの証明のようなものです。このあたりは高速道路建設のため昭和29(1954)に外濠(旧汐留川)を埋め立てたところです。この首都高速道路沿いの道には「御門(ごもん)通り」という名称が付けられています。これは江戸時代に芝口御門があったことに由来しています。


難波橋交差点です。ここにはかつて難波橋という橋が外濠(汐留川)に架かっていました。その名残りが交差点の名称として残っています。東京(江戸)なのになぜ「難波」なのかということが気になりますが、現在の銀座8丁目あたりに、江戸時代、「南大阪町」という地名の町がありました。どうも大阪南部の難波あたりから移り住んだ商人が住んでいた町のようです。そこから難波橋という名称が付けられたと推察されます。また、この難波橋は泪橋や中の橋と呼ばれた時期もあったらしいです。鈴ヶ森刑場への別れ道だったことから泪橋となり、転じて難波橋となったという説もあるようです。



……(その2)に続きます。

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