2019年1月16日水曜日

大人の修学旅行2018 in出雲松江(その10)

古代出雲歴史博物館の見学を終え、観光バスでこの日の宿泊場所である松江しんじ湖温泉の宿『なにわ一水』に向かいました。出雲大社に来る時はJR山陰本線だったので、宍道湖の南岸を通ってきましたが、ここから松江しんじ湖温泉までは宍道湖の北岸を通る国道431号線を使います。今度も右側の車窓には宍道湖の穏やかな湖面が広がっています。また、横を一畑電車の北松江線が並行して通っているので、ところどころでその一畑電車の北松江線の線路が見えます。鉄ちゃんとしては一畑電車にも乗ってみたいところですが、ここは我慢して団体行動です。


出雲大社から小1時間走り、途中立ち寄ったのは道の駅「秋鹿なぎさ公園」でした。松江市は宍道湖の東端に位置し、市内のさまざまな所で宍道湖に沈む夕日を楽しむことができます。松江市から見る宍道湖に沈む夕日は時が経つにつれて様々に表情を変え、その美しさは絶景とも言えるもので、「日本夕陽百選」にも選定されています。さらに、夕日の沈む方角は神々の里出雲の地(出雲大社等)であり、雲の切れ間から湖面に射す日の光は神々しささえ感じるほどだと言われています。このため、この松江から見る宍道湖に沈む夕日は小泉八雲や田山花袋など多くの文人墨客に愛されました。

松江市の人気の夕日観賞スポットとしては宍道湖大橋の南詰から島根県立美術館までにある白潟公園や岸公園が有名ですが、そこまで行ったのでは時間的にもう完全に日が暮れてしまうということで、観光バスの運転手さんの機転で立ち寄ったのが、この道の駅「秋鹿なぎさ公園」です。道の駅「秋鹿なぎさ公園」は国道431号線が走る宍道湖北岸のほぼ中央に位置し、道の駅でありながら、湖に面しているという好立地を利用してヨットやカヌーといった水上レジャーが手軽に楽しめるスポットになっています。施設のすぐ前には、視界を埋め尽くすばかりの宍道湖の美しいパノラマが広がっていて、ちょこっと半島のように突き出しているところがあるので日が沈む西側(出雲大社方向)も宍道湖越しに見ることができます。

問題は雲。この日は晴れてはいたのですが、高曇りとでも言いますか。空一面を薄い雲が覆うあいにくの天気で、運が良ければ雲の切れ間から宍道湖の湖面に射す日の光が見えるのではないか…というお天気でした。

で、結果はこれ。夕日で雲が赤く染まっているのは確認できるのですが、雲に切れ間も無く、肝心の夕日そのものは見ることができませんでした。


ちなみに、ユウテン君は3年前にこのあたりに来たことがあり、その時に撮影した宍道湖に沈む夕日の写真がこれです。



この日も雰囲気は分かったので、このユウテン君の写真を見ながら、「日本夕陽百選」にも数えられるほどの大パノラマをイメージすることにしました。

再び観光バスに乗って、この日の宿泊場所である松江しんじ湖温泉の宿『なにわ一水』に向かいます。

観光バスで走ること30分ちょっと。日が落ちて、周囲がすっかり暗くなりはじめた頃、『なにわ一水』に到着しました。入り口には「歓迎 丸亀高校同窓会 御一行様」の表示が出ています。おおっ!! 「丸亀高校同窓会御一行様」で間違いではないのですが、できれば「丸亀高校 大人の修学旅行御一行様」と表示していただきたかったなぁ〜。


私達の『大人の修学旅行』の場所選びには基本的なルールがあって、その1つは「行けそうで、(自分1人では)なかなか行けないところ」。そして2番目は「温泉があって」、3番目は「地場の美味しいお料理とお酒が楽しめるところ」。そのうちの2番目の温泉ですが、この松江にも古くからの温泉があります。それが玉造温泉です。

玉造温泉は、奈良時代開湯といわれる古湯で、少彦名命が発見したと伝えられています。『出雲国風土記』抄にも記載があり、古くから“神の湯”として知られていました。平安時代に書かれた『枕草子』にも三名泉の1つとして記載が見られ、規模、歴史ともに島根県随一で、城崎温泉(きのさきおんせん:兵庫県豊岡市)や皆生温泉(かいけおんせん:鳥取県米子市)、三朝温泉(みささおんせん:鳥取県三朝町)らとともに山陰を代表する温泉地として知られています。島根県西部のこの松江市周辺から鳥取県西部にかけては、
成層火山である大山(だいせん:現在は活動停止中)を控えて、古くから幾つもの温泉が湧き出していたところです。ちなみに、玉造温泉の玉造という名称の由来は、この地にある花仙山で良質の青瑪瑙(メノウ)が採掘できたために、この地の人々が勾玉造りを生業としていたことに由来していると考えられています。三種の神器の1つ、「八尺瓊勾玉(やさかにのまがたま)」も櫛明玉命(くしあかるだまのみこと)によってこの地で造られたと言われています。

今回、私達が宿泊した『なにわ一水』は、その玉造温泉ではなく松江しんじ湖温泉にあります。松江しんじ湖温泉は昭和46(1971)1,250メートルのボーリングを実施して温泉を掘り当てたことで開湯した宍道湖畔にある新しい温泉です。泉質はナトリウムカルシウム硫酸塩塩化物泉で、源泉の温度は77,2℃とかなりの高温です(玉造温泉の源泉の温度は42℃)。松江しんじ湖温泉には『なにわ一水』を含めて8軒の旅館があります。実は同じ松江市内にあっても玉造温泉は古くからの温泉街で数寄屋造りの高級和風旅館が多く、歓楽色は一切ない歴史を重んじた落ち着いた風格を見せる温泉街です。なので、私達の『大人の修学旅行』のような団体旅行には不向きで、それで新しく作られた温泉街がこの松江しんじ湖温泉ということのようです。

チェックインするなり浴衣に着替えて温泉に浸かりに行きます。長旅の疲れを温泉で癒す…と言いますが、私は1011日という長期のキャラバン出張の途中。前日に北海道の札幌からやって来たというまさに長旅の途中です。露天風呂に少し長い時間浸かって、この先もしばらく続く長旅の疲れを癒させていただきました。

そうこうするうちに仕事の関係でこの『なにわ一水』で合流することになっていたテルジ君、ケンポ君、テッチャンの3名が到着。今回の『大人の修学旅行』の参加者18名が全員揃いました。

全員が揃ったところで宴会のスタートです。今回は過去最大級の18名という参加者。それもレンシン君、ケンポ君という2名が初参加で、テッチャンやテルジ君、マリコさんという久方ぶりに参加したメンバーもいるので、いつも以上に盛り上がりました。


宴会場の壁面ではバンタローが編集してきてくれた高校時代の思い出の写真を集めたDVD、さらにこれまで9回開催してきた『大人の修学旅行』の思い出の写真を集めたDVDをプロジェクターを使って繰り返し上映してくれました。このありがたい話題提供もあって、昔の思い出話やら近況報告やら話は尽きません。



お酒も進み、気持ちよく酔っ払って何を食べたのかまったく記憶に残っていないのですが、それを見越したオネエから送ってもらったこの日の献立表によると、次の通りだったようです。



山陰地方の冬の名物と言えば、なんと言ってもカニ()11月に漁の解禁を迎えた島根では、各地で美味しいカニを食べることができます。 このあたりの日本海で獲れる蟹はズワイガニ。そのズワイガニの中でも、山陰地方で獲れたものは特別に「松葉ガニ」と呼ばれます。値段が張ることもあって、たらふくというわけにはいきませんでしたが、献立の中には松葉ガニの酢の物もあって、山陰地方の冬の味覚を楽しませていただきました。美味しかったです。

一次会の宴会が終わると、部屋に戻っての二次会です。和室の部屋だとこれができるからいいんです。いちおう、ほかの宿泊客の皆さんのご迷惑にならないように5部屋並びでとった部屋のうち真ん中の部屋を利用して二次会を開催するようには気を遣っているつもりではありますが、それでも還暦を過ぎたオッサンとオバハンが酒に酔って喋り捲るわけです。夜中までかなりの騒音を撒き散らしたのではないでしょうか?


で、毎年、二次会の最後は、毎回恒例の次回の『大人の修学旅行』をどこで開催するか…の議論です。次回第11回は関西地方在住組が幹事の番とあって、奈良や熊野など西日本を中心に開催地の案がいろいろと飛び交ったのですが、結局全会一致で決まったところは……、大分県の由布院(湯布院)。女性陣の強いご要望もあり、また、『大人の修学旅行』に温泉は絶対に欠かせないということで、由布院に決まっちゃいました。今年3月の鹿児島に続いて、またまた九州での開催です。よろしいんじゃあないでしょうか。

気がつけば日付変更線を大きく越えていました。話は尽きないのですが、ここらで切り上げて、2日目に備えて寝ることにしました。


……(その11)に続きます。

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